介護職員等処遇改善加算の中抜きで給料で貰えない可能性はある?

介護職員の皆さんは、自分の給料に反映されるべき「介護職員処遇改善加算」について、しっかりと理解していますか?この制度は、介護職員の待遇を改善し、介護サービスの質の向上を目指していますが、実際に手元に届く金額に疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

介護職員等処遇改善加算の仕組み

介護職員処遇改善加算とは、国が介護サービス提供者に支給する制度で、介護職員の給与向上や待遇改善を目的としています。この加算は、介護職員の給与や福利厚生の向上に直接使われるべき資金です。

処遇改善加算は、事業所が請求する介護報酬の額に対して決められた割合が支給されるもので、売り上げが小さい事業所では処遇改善加算として事業所が受け取る金額も少なくなります。また、「介護職員等」となっているように、基本的には直接処遇職員と呼ばれる利用者に直接かかわる職種であれば事業所でルールを決めて分配ができるものになっています。

2024年からの処遇改善加算の変更点

2024年の介護報酬改定には、この介護職員等処遇改善加算の制度に変更があり、いろいろな種類の処遇改善関連の加算が一本化されました。その他にもいろいろなことが変わっていますので、自分の給料はどんな風に出ていて、事業所は利用者さん一人当たりどれくらいの介護報酬をもらっているのかなど、介護の仕事をしている人は少しでも関心を持っていただく方が良いと思います。

令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)

2024年介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数

令和6年度介護報酬改定では、4月に変更となる内容と、6月に変更になる内容があります。例えば、訪問介護費の場合、基本報酬部分は4月から、処遇改善加算等は6月から変更という2段階での変更が生じることがあります。詳細は各記事に添付している厚生労働省のサイトからご確認ください。

 介護保険の居宅サービス介護給付費単位数の改定内容

施設サービス等介護給付費単位数の改定内容

介護予防・日常生活支援総合事業費(要支援・事業対象者)の改定内容

2024年(令和6年)介護報酬改定で特徴的な加算・制度

利用者負担軽減の仕組みの改定

補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。

令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し

令和7年8月1日施行  多床室の室料負担

介護職員等処遇改善加算は、働いている職員からすると、国からお金をもらっていて、ニュースでも介護職員の給料がアップすると注目されているからもっと上がるはずだと思ってしまうかと思いますが、実際は事業者は処遇改善するための計画や計算をして、さらにはどんな風にしたら給料をアップするのかのグレードや条件を明確化し、職場の環境整備も行うなど、とても大変な事務的な作業が発生しています。もちろん今まで仕事内容や給料・昇給の仕組みが見えにくい状態にあったことが良くないのですが、国の用意したシートや条件に沿って計算や計画することは非常に難解で、その割に処遇改善加算分の売上は介護報酬の数パーセントなので厳しいものとなっています。介護職員等処遇改善の手当てをもらっている人も、どんな仕組みなのかを知っておく方が良いと思います。給料をもらう側はただ配るだけだと思ってしまいますが、国が指定している事務作業は相当大変な内容になっており、みんなに処遇改善手当を支払うために責任者はおそらく残業などをして書類作成や計算に追われています。

 2024年(令和6年)6月からの「介護職員処遇改善加算」の算定要件

介護職員にすべて配分ではなく、施設で他の職種にも分配できる

新しい制度では、全額が介護職員に配分されるとは限らず、施設内の他の職種の職員にも配分されることがあります。これは、施設全体のサービス向上に寄与するための変更ですが、介護職員から見れば、配分の透明性に関する疑問が生じるかもしれません。ただし、どう分配するかは秘密にするのではなく、職員に公開することが必要なので、職員が知らないという状態は原則だめです。

通所介護での介護職員等処遇改善加算を手当として職員に分配する場合の事例

例えば通所介護の場合を例にして処遇改善加算の売り上げとそれを職員に分配した場合の例を紹介したいと思います。ここでは細かい計算までは行わずあくまでも目安として説明します。

2024年の介護報酬改定で介護職員と処分改善加算の種類や加算割合は変更になります。仮に通所介護で「介護職員等処遇改善加算Ⅰ」を算定する場合、介護報酬で設定された売上の「9.2%」が介護職員等処遇改善加算として算定・加算されます。

通所介護の売上が月に500万円だとした場合、その9.2%なので「5,000,000円×0.092」で約46万円が処遇改善加算分となるわけです。

これを例えば10人の職員で分配したとしたら、1人当たりの加算分は4.6万円となります。とても単純に計算するとこのような形になります。他の職種や職員も含めての場合にはもっと少なくなったり、役職や条件に応じて多く分配する人がいたり事業所によって分配の方法は様々ですがあくまでも単純計算した場合にはこのような目安になります。

計画書と報告書を提出するので中抜きや給料以外への利用は困難

介護保険サービス事業所や介護保険施設は、受け取った加算をどのように使ったかを自治体に報告する義務があります。上記で計算したように、何パーセントの加算分が入りどんな風に分配するかということはあらかじめ計画や分配ルールを作っておかなくてはならなりません。この計画書と報告書によって、中抜きや給料以外への不正な利用はほぼ不可能とされています。振込履歴や給与明細を見ればすぐばれてしまいますし、計画書や報告書でほぼ決まっていて違う用途での利用をできる余地がないので、事業者としても処遇改善加算を従業員への給料にせずに他の用途に転用するといった考えはわかないでしょう。

誤解を招きやすい点としては、計算例で示したように売り上げはその月によって利用者がどれぐらい利用するかや休むかなどによりかなり変動するので、その変動で売り上げが減ったり増えたりした分はどこかで辻褄を合わせなくてはいけなくなります。このように毎月定額が入ってくるわけではなく、売上に応じて処遇改善加算の収入も変動する点で不信感が湧いてしまうことがあるようです。

分配に疑問を感じたら経営者や管理者に確認

もし、配分について疑問や不明点があれば、まずは施設の経営者や管理者に確認を取ることが重要です。不透明な点がある場合には、具体的な説明を求める権利があります。

結論として、介護職員等処遇改善加算が給料に反映されない可能性について心配する必要は基本的にありませんが、配分方法や額については施設によって異なります。不正が疑われる場合や不透明な点があれば、積極的に確認を取りましょう。少なくとも介護職員等処遇改善加算を算定している事業者は、計画書は必ず作成していますし、昇給の仕組みの整備等も作成していることがこの加算の条件です(算定している処遇改善加算の種類によって若干異なります)

介護職員処遇改善加算「月額賃金改善要件」の内容(2024年6月以降)

介護職員処遇改善加算「キャリアパス要件」の内容(2024年6月以降)

介護職員処遇改善加算「職場環境等要件」の内容(2024年・2025年)

このような制度の運用には、透明性と適切な対応が求められますし、単に手当を出しましたというだけでなく、従業員の継続的で計画的な処遇改善が求められているので、頑張って成果を出したら昇給するということも含めて職場で開示が進むよう働きかけましょう。また、あまりにも経営者や管理者がこのようなことに非協力的な場合には、他の事業所は一生懸命に処遇改善をして職員を締約してもらうとしているので転職して職場環境や給料の条件がわかりやすくなっているところを探しましょう。

 


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2024年4月・6月介護報酬改定の情報

 令和6年(2024年)障害福祉サービス報酬改定情報はこちら

令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)

2024年介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数

令和6年度介護報酬改定では、4月に変更となる内容と、6月に変更になる内容があります。例えば、訪問介護費の場合、基本報酬部分は4月から、処遇改善加算等は6月から変更という2段階での変更が生じることがあります。詳細は各記事に添付している厚生労働省のサイトからご確認ください。

 介護保険の居宅サービス介護給付費単位数の改定内容

施設サービス等介護給付費単位数の改定内容

地域密着型サービスの単位数改定内容

介護予防・日常生活支援総合事業費(要支援・事業対象者)の改定内容

2024年(令和6年)介護報酬改定で特徴的な加算・制度

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