介護支援専門員 実務研修受講試験の受験資格や資格の取り方

介護支援専門員の資格とは

介護支援専門員は、国家資格ではなく都道府県が試験や認定を実施する公的資格です。介護支援専門員は、要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じると ともに、サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行います。 また、要介護者や要支援者の人が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識・技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けた者とされています。
ケアマネのイメージ

介護支援専門員とケアマネジャーの違い

介護支援専門員とは、通称「ケアマネジャー」の正式名称です。

ケアマネジャーという言葉は、ご利用者の状態を把握して援助の方針や援助内容を調整するマネジメントを行う人全般を指すこともあるので、ケアマネジャーと呼ぶ場合には介護支援専門員資格の資格を持っている人ではない場合もあります。

介護支援専門員の資格の取り方

介護支援専門員の資格の取り方は、こちらの6ステップです!

介護支援専門員の試験の正式名称は「介護支援専門員実務研修受講試験」と言います

1介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格を得る

介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格は「国家資格に基づき相談援助業務に従事した期間が通算して5年以上であり、かつ、当該業務に従事した日数が900日以上であること」とされています。受験資格となる国家資格は以下の21種類です。

介護支援専門員実務研修受講試験 受験資格(国家資格等に基づく相談援助業務に従事する者)

医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士含む) 、精神保健福祉士

介護支援専門員の資格の合格率は15%くらいです。受験対策は効率的に!

2毎年6月ごろ試験の申込を行い、受験票を受け取る

介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格を得たら、試験の申込を行います。試験の申込期間は例年6月ごろなので、早めに情報収集を遅れないようにしましょう。

申込を行うために、まず、介護支援専門員実務研修受験要項各都道府県の社会福祉協議会のホームページ等で確認します。

受験要綱に沿って受験手数料12,800円程度の支払いを行い、支払い証明を貼り付けして受験申請をします

3介護支援専門員実務研修受講試験に合格する

介護支援専門員の試験は、都道府県ごとに試験が行われるため、住んでいる都道府県か勤務先の都道府県で受験をします。試験は例年10月頃に年1回行われます。介護支援専門員の試験は、試験に合格すると介護支援専門員の資格が与えられるというわけではなく、 介護支援専門員の実務研修を受けるための資格を得るための試験です。

4介護支援専門員実務研修を受講する

介護支援専門員実務研修受講試験に合格したら、介護支援専門員実務研修を受講するかどうかを検討します。

都道府県により異なるかのうせいがありますが、介護支援専門員実務者研修の受講料は5万円ほどです。

試験を受ける人の多くは介護支援専門員になり、ケアマネとしてケアプランの作成やケアマネジメント業務を行ないたいと思っている人が大半なので、 試験に合格した人の多くは実務研修を受講する申し込みを行います。なお、この実務研修を修了しないと介護支援専門員資格があるとは言えません

介護支援専門員実務研修のカリキュラムは87時間と実習があります。

実習では、実際に主任介護支援専門員などが働く居宅会支援事業所に行き、ケアマネジメント、ケアプラン作成、モニタリングなどの業務を見学・体験します。

ケアマネのしんどい実務研修の理由 日程もやり方も問題大有り

5各都道府県で介護支援専門員の「登録」を行う

実務研修を修了すると、各都道府県で介護支援専門員の登録を行い、都道府県知事に対して申請を行います。

6「介護支援専門員証」が交付される

登録してしばらくすると郵送で「介護支援専門員証」が交付されます。介護支援専門員証が届き、常に携帯していることで介護支援専門員の業務を行うことができます。

介護支援専門員の更新研修とは

  • 介護支援専門員の実務研修を修了すると、介護支援専門員証を交付されます。介護支援専門員証には有効期間があり5年間はケアプランの作成や給付管理などの業務を行うことができますが、5年経過した後には更新研修を受けて最新の介護保険の制度の仕組みや介護支援専門員として身につけておくべき最新の情報をま学び直さなければいけません
  • ケアマネとしての実務未経験者の場合には、実務研修と同じ内容の研修 87時間
  • ケアマネとしての実務経験一部経験の研修 54時間
  • ケアマネとしての実務経験を5年間行なった人の研修 32時間

介護支援専門員の資格を取得したときの勤務先

介護支援専門員の資格を持っている場合、ケアマネジャーとして働く時、大きく分けると自宅で生活しているご利用者のケアマネジメントを行い居宅サービス計画を作成する、通称「居宅ケアマネ」と、特養や老健・特定施設の指定を受けた有料老人ホームなどに入所しているご利用者の施設でのケアマネジメントを行い施設サービス計画を作成する、通称「施設ケアマネ」の2種類に分けられます。

居宅ケアマネと施設ケアマネの業務内容と違い

ケアマネが行う援助の流れ

  1. 利用希望者・家族はどのような介護サービスの希望をするか面接(インテーク)
  2. どのような介護サービスが必要かを査定(アセスメント)
  3. 介護保険が利用できるようにサービス計画
  4. 個別支援計画を作成(プランニング)
  5. サービスの利用開始後も提供されている介護サービスが適切か否かを定期的に評価(モニタリング)して要介護者と介護者の状況に合わせて再びアセスメント、プランニング

居宅ケアマネの仕事 7つ の大切な業務

  1. アセスメントに当たり、居宅を訪問し、利用者及び家族に面接。
  2. 計画原案に係る担当者全員を招集して行うサービス担当者会議を開催。
  3. 居宅サービス計画原案を説明し利用者の同意を得る。
  4. 居宅サービス計画を利用者・担当者へ交付する。
  5. 1月に 1回は居宅を訪問し、利用者に面接した上で、そのモニタリングの結果を記録。
  6. 更新認定時等もサービス担当者会議を開催。
  7. サービス計画変更時も作成時と同様の一連の業務を行う。

    施設ケアマネの仕事

    施設ケアマネは、施設で生活する入所者の希望と状況に合わせて、生活全般の計画を立て、状況を確認しながら適切な介護サービス・施設生活をできているか確認してよりよい形を検討していくことが業務であり役割です。例えば特養の施設ケアマネの仕事についてはこちらの記事で紹介しています。

    居宅ケアマネと施設ケアマネの違い

    施設ケアマネも、自宅や高齢者住宅などに住む利用者を担当する居宅サービスの居宅ケアマネもどちらも介護支援専門員の資格が必要な仕事です。しかし、施設ケアマネと居宅ケアマネは業務のスタイルや業務内容が大きく異なります。

    担当する人数の違い

    特養の施設ケアマネの場合、特養の基準として入居者100名に対して介護支援専門員が1名となっています。つまり、特養の施設ケアマネは100名分のケアプランを作成する場合があるということです。居宅ケアマネの場合には40名が基準なので、特養のケアマネの方が担当数が多くなります。

    他のスタッフとの関わり・立ち位置の違い

    居宅ケアマネは単独で行動して、利用者に合った居宅サービスの事業者と間接的に関わってケアを進めていくのに対し、施設ケアマネは介護や看護のスタッフが同じフロアで介護している中で、状況を確認しながらケアプランを考えていくという点で違います。

    介護支援専門員の資格はいろいろな介護保険施設・介護サービスで役立ちます

    介護支援専門員の資格は、介護保険や援助のプロとしていろいろな施設・サービスで役立ちます。

    ケアマネとして働くことはもちろんですが、通所介護の管理者として通所介護計画を作成したりするときにも介護支援専門員が望ましいとされており役立ちます。

    そのほか介護施設などのリーダー的存在として、ご利用者や施設全体をマネジメントする人材として重宝されます。

     

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    2024年4月・6月介護報酬改定の情報

     令和6年(2024年)障害福祉サービス報酬改定情報はこちら

    令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)

    2024年介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数

    令和6年度介護報酬改定では、4月に変更となる内容と、6月に変更になる内容があります。例えば、訪問介護費の場合、基本報酬部分は4月から、処遇改善加算等は6月から変更という2段階での変更が生じることがあります。詳細は各記事に添付している厚生労働省のサイトからご確認ください。

     介護保険の居宅サービス介護給付費単位数の改定内容

    施設サービス等介護給付費単位数の改定内容

    地域密着型サービスの単位数改定内容

    介護予防・日常生活支援総合事業費(要支援・事業対象者)の改定内容

    2024年(令和6年)介護報酬改定で特徴的な加算・制度

    利用者負担軽減の仕組みの改定

    補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。 令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し 令和7年8月1日施行  多床室の室料負担  
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